世界にはまだまだ知られざる「海の道」が残されています。その一つが、アフリカ大陸とアラビア半島の間に広がる「紅海」を渡るフェリー航路です。
紅海は古代から海上貿易の重要なルートとして使われており、現代では巡礼者やトラック輸送、そして旅人を運ぶ生命線となっています。私はこのルートに惹かれています。ただの移動手段ではなく、歴史と文化と宗教が交錯するこの海の上を、フェリーでゆっくりと渡る旅にこそ、今の時代に必要な「深みのある旅」があると感じているからです。
エジプト、スーダン、サウジアラビアというまったく異なる文化背景を持つ国々が、この海を通じて繋がっています。飛行機では味わえない「変化の連続」を、このフェリー旅で感じてみたいのです。
紅海フェリーとは?歴史と概要
歴史
紅海フェリーの歴史は、古代エジプトの時代にまで遡ります。ナイル川下流域と紅海をつなぎ、アラビア半島との交易が盛んに行われていました。その後、イスラム世界が広がるにつれて、紅海は巡礼者の重要な通路となりました。
特にスーダンからサウジアラビアに向かうフェリー航路は、メッカ巡礼(ハッジ)のルートとして長く使われてきました。現代においても、毎年何十万人もの人々がこのルートを利用しています。
さらに、近年は一般の旅行者や長距離トラックの輸送手段としての役割も拡大し、紅海フェリーは観光と物流の重要なハブとして再注目されています。
主要ルートと所要時間
以下が主な航路と所要時間です:
- エジプト(ヌエバ) ⇄ サウジアラビア(ダバ)
- 高速船:約3~4時間
- 通常フェリー:8~10時間
- スーダン(スワキン) ⇄ サウジアラビア(ジェッダ)
- 約18〜24時間(天候によっては30時間以上)
- エジプト(サファガ) ⇄ サウジアラビア(ヤンブー/ダバ)
- 約10~12時間
主要な港
- ヌエバ港(エジプト):シナイ半島の南にあり、イスラエル国境近く。
- サファガ港(エジプト):紅海西岸の国際港で、貨物と巡礼者の拠点。
- スワキン港(スーダン):紅海の奥深くにある古代都市スワキンに隣接。
- ジェッダ港(サウジアラビア):巡礼の玄関口。
- ダバ港(サウジアラビア):タブーク州の港湾都市。
主な景色
フェリーに乗ると、深い藍色の海面に砂漠の山影が揺れる幻想的な風景が広がります。夕焼け時には海と空がオレンジ色に染まり、一生忘れられない光景となります。
船内設備・おすすめクラス
クラスと船内の様子
- デッキクラス:最も安価。混雑時は込み合う。
- エコノミーキャビン:リクライニングシート付き、長距離向け。
- ビジネスクラス/VIPキャビン:個室・専用トイレ&シャワー完備。
多くの船に礼拝室や簡易売店、エアコンが完備されていますが、船によって設備差があるため要確認です。
おすすめの座席
夜間の長距離航路では、エコノミーキャビン以上がおすすめです。特にVIPキャビンならプライベート空間で快適に休めます。
設備
- トイレ・シャワー(ビジネスクラス以上)
- 礼拝スペース
- 軽食・飲料の売店
- 空調設備
食事
船内販売は少なめのため、水と軽食、ハラール対応スナックを持参すると安心です。
季節ごとの楽しみ方
- 冬(11〜2月):気候安定・海が穏やかで最適。
- 春・秋(3〜5月、10月):混雑少なめ、料金安定。
- 夏(6〜9月):高温・巡礼シーズンの混雑注意。
実際に乗った人の声
「紅海の色は深い藍色で、デッキから眺めると心が静まる体験でした。」
「ジェッダ港では世界中の巡礼者と会話でき、旅の醍醐味を味わえました。」
「VIPキャビンで快適に過ごせ、夜中の星空を船上で眺める贅沢さは格別です。」
「スワキン港のローカル感は圧巻。混雑も旅のスパイスだと感じました。」
「予定より遅延しましたが、その間の現地交流が最高の思い出になりました。」
日本からの行き方
エジプト方面
- 東京/関空→カイロ(直行or乗継)→国内線orバスでヌエバ/サファガ
スーダン方面
- 東京→ドーハorイスタンブール→ハルツーム→バスでスワキン
サウジアラビア方面
- 東京→リヤドorジェッダ(直行便)→国内移動でダバorヤンブー
チケット購入方法
現地購入
- 港窓口で購入可(英語非対応のことも)
- パスポート必携。
オンライン予約
- AB Maritime公式サイトなど(クレカ不可の場合あり)
旅行代理店
- カイロ・ハルツーム・ジェッダの代理店利用推奨
ビザと準備
ビザ
- サウジ:eVisa or 巡礼ビザ
- エジプト:eVisa取得可
- スーダン:事前取得推奨
持ち物・安全対策
- 水・軽食・酔い止め・防寒具
- 夜間移動避ける・紛失防止策を
Q&A
Q:船は揺れますか?
A:冬季は比較的穏やか。酔い止め推奨。
まとめ
紅海フェリーは「旅そのもの」を味わう体験。準備は必要ですが、それを超える感動が待っています。
最新情報や体験談をご存じの方は、ぜひコメントやSNSで教えてください!
コメント